
さーちゃん
@cong_mei
2025年9月12日

CARPE DIEM 今この瞬間を生きて
ヤマザキマリ
読んでる
p97 「母も、体はもとより、喜びも悲しみや苦しみといった、人としてのあらゆる感受性を全て使いこなし、音楽という世界に本人にできる限りの全てを捧げて生きてきました。」
この文章で驚いたのは、「人としてのあらゆる感受性を全て使いこなし」という捉え方。
私は、悲しみや苦しみはできればあまり感じないで、ポジティブに過ごしたいと思っていた。でもそういう経験をしていないのも浅い人になる気がするから、悲しみや苦しみを感じた時は、一生懸命冷静になろうとしたり、ポジティブな意味に変換しようとしてきた。
でもそれって、その感情をないものにしようとするのと同じことだ。本当はそんな感情も認めてあげて、自分を労ってあげたい。
だから、この捉え方は一種、発想の転換になるな、と感じた。悲しみや苦しみに浸り切ることも大事だけど、一旦その段階から抜けたら、「あぁ私、人としての感受性を使ったなあ」って思えればいい。あらゆる感受性を使いこなすことができたら、人生が充実すると考えられれば、悲しみや苦しみも怖くない。
ちなみにこの後のくだりは、こんなお母さんのようにエネルギッシュに生きた人と同じ時代を共有できたおかげで、色々ひどい目に遭っても、生きることを頑張ってこられたのだし、お母さんの死に大きな喪失感を覚えたり、打ち沈むことがないのだと思う、と続いている。
「そうすれば、死に対しても恐怖心や拒絶感ばかりを感じるのではなく、もっと堂々と歳を取っていけるんじゃないでしょうか。」という一文に共感。そんな風に捉えられるようになりたい。
