Aki
@spica-spring-evening
2025年9月13日

汝、星のごとく
凪良ゆう
読み終わった
物語というのは、自覚させるものなのかもしれないとこの本を読んで思った。
物語の中に出てくる登場人物の言葉、背景、立場、いろんなものが、意図せずタイミングで自分と重なるときがある。自分に覚えのある気持ちが語言化されて、ああ、私はこう思っていたのかだとか、私のあの時の行動は間違っていたのかもしれないとか、今の私の状態をこんな言葉で表せるのかとか、自分の中にあるのに上手く形にならないものが、小説を読んで、柔らかく輪郭が作られていく。それが気付きたくないもののときだってあるけれど、気付くことで見えなかった角度から物事が見えたりもする。これは小説の感想ではないけれど、でもこの本を読んで確かに私は、私のことをひとつ知ったのだ。
