芋仁 "アルジャーノンに花束を〔新版..." 2025年9月13日

芋仁
芋仁
@imogine
2025年9月13日
アルジャーノンに花束を〔新版〕
audibleで聴きました。 つらくてちょっとずつしか進められなくて…長いことかかってしまいました。 「経過報告」の記述を朗読でどう表現するのだろうと思っていたら、知能の変遷が見事に声で表現されていて驚愕しました。(若干アニメ声ぽくてヒヤヒヤする時もあったけれど女性がお1人で全ての登場人物を演じ分け、滑舌も良く、台詞も地の文もくっきりと伝わってきたので良かったです) 前述の「黄色い家」もそうでしたが、主人公の痛みが本当に誰にもわからなくて…伝わらない苦しさが続き、それがつらくてたまらなかったです。(私が小説を積極的に読めないのはそういうところにあるのかもしれません…)痛いほどの共感、同時にそれは作者への最大限のリスペクトを持っているところでもあります。 訳者のあとがきも聴けて良かったです。画家の山下清さんの言葉をヒントに翻訳した、それをダニエル・キイスさんにもお伝えしたとのエピソードに心が震えました。 チャーリーは生まれてきた命そのものへの尊厳、そして「人間であること」を精一杯叫び続けました。各エピソードには作者の体験も入っているそうです。私も思い当たることが沢山ありました。出版社の提案に負けずラストを変えなくて本当に良かったと思います。最後までチャーリーと共にありたい、普遍性、円環性を感じる余韻が残り続けます。
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