
本屋lighthouse
@books-lighthouse
2025年2月12日

失われた時を求めて(2)
プルースト,
吉川一義
読んでる
まだ読んでる
「私」が土地の名前からその土地の勝手なイメージを抱きまくっている、その羅列がとまらない。「私」に「幕張」という土地の名を与えたらどのような想像をするのだろうか。Mの音からメッセを導き出すかもしれないが、メッセがあるのは正確には海浜幕張駅であり、海浜幕張駅がある土地の名に「幕張」の文字はない。実際に幕張の名を冠する土地に住む者らにとっての幕張と、そうではない者らの幕張には、基本的に大きな隔たりがある。かつて海岸線とともにあり漁師の町であった幕張と、埋立によって生まれた新しい町。そのまさに境界にかつて住んでいた後藤明生が書いた『首塚の上のアドバルーン』(講談社文芸文庫)が思い出された。なお、埋立前の幕張の様子は椎名誠が『幕張少年マサイ族』(東京新聞出版)にて描かれている。

