
あつこ
@atsuko_books
2025年9月14日

出版という仕事
三島邦弘
読み終わった
p67
本には、おもしろマグマがある。それがあるのが、本。源泉ないし源泉の入った湯が「温泉」であり、温泉のもとを混ぜただけの湯を「温泉」とは呼ばないよないように。
p100
ある期間(締切ですね)のなかで精一杯書き、納得のいくものに近づける。逆にいうと、それしかできない。
この期間限定の行為のなかに、命を、マグマを、こめる。
これができる書き手をプロと呼ぶのだと思います。
p199
1年の断裁数を考えるにあたり、仮に、新刊点数8万点の平均初版部数をいったん300部と見積もります。返品率40%なので、
3000x80000x0.4=96000000
となります。
返品数で約1億冊!
この大半が断裁されている。実際は、これよりずっと多いはずです。
・・・
今いる環境でできることを探し続けたら、昨年から想像もしなかった本づくりに携わることになった。
私は編集者でも著者でもなく、本をつくると決まってからチームに入る立場なので、それこそちゃんとマグマがある本、マグマがあるチームだといいな、とどこか他人任せに祈っているところがあった。
いろんな事情があるにせよ、必ずそこにマグマはあると一旦全力で信じてみようと思った。まだ見えていないマグマの勢いを私が弱めることはあってはならない。そしてできることなら、もしもマグマが小さいまま走り始めているのなら、それをさらに熱く、勢いよくできる存在になりたい。
自分の今の技量でそんなことを思うなんて、ほんとうに身の程知らずではあるけれど、それでもその気概を持って取り組むことが大事な気がした。



