数奇 "儚い羊たちの祝宴" 2025年9月14日

数奇
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@suuqi
2025年9月14日
儚い羊たちの祝宴
初めて読む米澤穂信作品。お屋敷に住むお嬢様たちによるミステリー短編が5つ収録され、5つとも「バベルの会」という読書会サークルが関わっているお話。シックな装丁と、高貴な語り口とは裏腹にかなりぶっ飛んだオチの話ばかりで、しかしそれが常識知らずなお嬢様たちだからこそのぶっ飛び方だと納得できるところが面白い。最初に『身内が不幸になりまして』という話から始めるのが上手く、この一編のせいでその後もずっと疑いを持って読み進めることを強制される中で、巧みなミスリードが配されている。ホラーな話が多いがぶっ飛んだオチ故にどこかクスッとしてしまうブラックユーモア的な痛快さも感じる。『北の館の罪人』『山荘秘聞』がお気に入り。
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