
あめ
@candy33
2025年9月11日

この世にたやすい仕事はない
津村記久子
買った
読み終わった
読書メモ
小説
いちばん刺さったのは、こんな仕事があるんだ!ということ。本当にあったとしたら面白すぎるし(そして私は世の中を知らなさすぎるし)、そうじゃないとしたら、作者の津村さんは、こんな面白い仕事内容をどうやって思いついたんだろう?
もう一つ刺さったのは、仕事の対象となるものの名前。「山本山江」「アホウドリ号」「極東フラメンコセンター」「大林大森林公園」・・・ツボ。そして、バスのアナウンス原稿はいちいちげらげら笑ってしまう。
物語はというと、主人公がミステリーな仕事を転々とする中、冷静に謎解きをしていく過程で、緊張感があり、でもシリアスになりすぎず、ところどころにボケやら笑いが仕込まれていて、軽やかな読み心地。
そもそも主人公は、14年も何のしごとをしていたのか、何に傷ついて退職したのか、最後できちんと伏線が回収されていて、結末がとても心に響く。
「仕事から、苦しみだけでなく喜びもまた受け取っていたんだろう。だからこそつらいというのもわかる」
「どの人にも、信じた仕事から逃げ出したくなって、道からずり落ちてしまうことがあるのかもしれない」
「喜びが大きいからこそ、無力感が自分を苛むこともたくさんあったように思います、その逆も」
★
「ふじこさん おしょうゆ」、食べてみたいなあ。。。



