にこまま "ゴリラ裁判の日" 2025年9月24日

ゴリラ裁判の日
ゴリラ裁判の日
須藤古都離
難しいテーマを扱っていながら、すっと物語に入り込むことができた。独特な設定に驚かされたが、ただの不思議な話ではなく、フィクションでありながらも現実と地続きの問題を描いているように思う。読みやすさの中に、驚きと発見、考えるきっかけが詰まった作品だった。 【ここからネタバレ】 最も印象に残ったのは、ゴリラのローズの苦悩の場面。本来ゴリラの世界では一夫多妻が普通であるのに、ローズはそれに耐えられず苦しむ。 「言葉を持ってしまったからか…生存本能よりも、個体としての感情を優先するようになってしまったのかもしれない。」 言葉を持つことで生じる心の重さや、動物と人間の境界線について深く考えさせられる場面だった。
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