
roiban
@roiban
2025年9月14日

マーブル館殺人事件 下
アンソニー・ホロヴィッツ,
山田蘭
読み終わった
面白かった…。下巻は一気読み。「前作を読んでいなくても」というおすすめがよくあるが、この作品に関しては『カササギ殺人事件』をすっ飛ばして手に取るのはあまりに惜しい。張り巡らされた罠の複雑さ、ストーリー全体の構造が比較によって面白くなるから。/やはり前2作同様、「アティカス・ピュント」が主役の50年代南仏を舞台とする作中作と、語り手であるフリーランスの編集者スーザンが現代のロンドンでそれを読むという二重構造。『カササギ殺人事件』『愚行の代償』に引き続いて果たして次はどれが…と思ったら何と原作者アラン・コンウェイではない別の作家が続編を書くという。この作者はどれだけ自分の写しを作品に登場させてくるんだとちょっと笑ってしまった。ただでさえ多い登場人物がピュント編とスーザン編で2倍になっており読み始めは大変だが、語り手の分析的な読解と丁寧なヒントの提示によって驚くほど読みやすい。
