しおり "噂(新潮文庫)" 2025年9月15日

しおり
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@Kaffee5888
2025年9月15日
噂(新潮文庫)
遅れて取った夏休み2日目の3冊目。 「噂」って怖い。途中から「本物」になることがありうるから。 誰が言ってるのかも分からないのに、会話の中で「らしい」とか信ぴょう性もないのに広まって、本当らしい顔して会話の中にある。真偽の確かめようもないけれど、火のないところに煙は立たない方式で「でも何かあるからそういう『噂』が立つんでしょ?」となる。SNSが発達した現代社会ではこの噂というものはもっと大きな力を持ち出しているのではないかとも思う。この作品が2006年が初版と出てきて驚いた。でも、確かにまだまだインターネットが普及していない時代だからこそ口コミが有力な情報源だったという話の流れにも持っていきやすいなぁとも。 刑事二人の掛け合いも良い。全く物語の邪魔にならない。基本的に小倉刑事の視点で進んでいくのでわかりやすい。 それにしても最後のところはちょっとゾッとしたな。『噂』、成程な。
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