しおり "対岸の彼女 (文春文庫)" 2025年9月15日

しおり
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@Kaffee5888
2025年9月15日
対岸の彼女 (文春文庫)
夏休み4冊目📕 なんとなく、私は人間という生き物は自分より持たないもの、持つもの、とかで順位を決めつけて接してしまう生き物だと思っている。その人の尺度でしかないのに可哀想だとか、勝手に物語を作り上げて接するのだ。それが正しいと信じて。そうやって自分を守って生きている、のだろう。 葵、小夜子、そしてナナコ、…そのほかの女性たち。それぞれ生き方も環境も違って考え方も違う。女同士なのに結婚しているいない、子供がいるいない、その他いろいろ、そうやって分かり合えなくなる。元々は砂場とかで一緒に訳もわからず泥だらけになって遊んでいたのにどうしていつから敵対はじめるのだろう。 大人になって、子供の頃遊んでいた『親友』と呼んでいた人と連絡も取らなくなる。ただ環境が一緒なだけで、大人になればなんとなく距離を取る。あの頃は楽しかった、と美化をする。楽しかったと言って振り返らない。対岸には戻らない。 「どこへもいけなかった。だけどあたしたち、どこへいこうとしてたんだろう。」 どこにも行く場所なんて無いけれど、どこか自分の事を知らない場所に行きたかった。もっと綺麗なものがあると思った。違う世界に行けると思った。ふたりなら。これは青春なのだろうか、いや人生だろうな。
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