
くりこ
@kurikomone
2025年9月15日

まだ読んでる
p.219
性虐待と、戦争神経症が
ともに国家と家族の根幹をなすイデオロギー保護のためにないものとされていて根底で深く繋がっていると言う指が興味深い。
性虐待を容認すれば、絆、愛情、特に家長である父の正しさで支えられる家族イデオロギーが崩壊する。
また、性虐待は女らしさのジェンダーの根幹をなす処女性が崩壊する上、父から犯されるという法外な汚れ方である。
戦争神経症を容認すると、日本軍をめぐる神話(帝軍兵は恐怖を抱かず死も厭わずたたかいぬく兵隊さん)が崩壊する。
男性が恐怖や不安のような感情に流されない強さ、死を厭わない勇気も否定することとなる。
私的で最も見えにくい家族で起きていることは国家で起こっていることと連動しており、家族とは最も明確に国家の意志の働く世界であり、最も力関係の顕在化する政治的世界である。
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『生き延びるための思想』上野千鶴子
「プライバシー原則とは家長という私的権力の支配圏に対して公的権力が介入しないという密約の産物ではないのか」


