
gato
@wonderword
2025年9月15日

鹽津城
飛浩隆
読んでる
久しぶりに図書館をゆっくりぶらぶらできたので、短篇集の齧り読みなどする。この『鹽津城』は数ヶ月前に一回手に取ったのだが、巻頭の「未の木」がなんとも気持ち悪くて(狙った気持ち悪さなのでいいんだけど)、続く「ジュヴナイル」もあまり乗れなかったので結局その日は棚に戻した。
だが、今日「流下の日」を読んだらこれがめっちゃ面白かった。自民党と正反対な急進的家族観を持つ総理大臣に40年以上独裁されている近未来のお話。冒頭からすごいボケてるんだけど、ぬるっと思想統制されている語り手にゾクっとしながら気付けばレジスタンスの反乱の中心に取り込まれている。同じ世界観で日本各地に散らばる反政府組織を描く連作書いてほしい。乙原朔バース。