鹽津城

19件の記録
- gato@wonderword2025年9月15日読んでる久しぶりに図書館をゆっくりぶらぶらできたので、短篇集の齧り読みなどする。この『鹽津城』は数ヶ月前に一回手に取ったのだが、巻頭の「未の木」がなんとも気持ち悪くて(狙った気持ち悪さなのでいいんだけど)、続く「ジュヴナイル」もあまり乗れなかったので結局その日は棚に戻した。 だが、今日「流下の日」を読んだらこれがめっちゃ面白かった。自民党と正反対な急進的家族観を持つ総理大臣に40年以上独裁されている近未来のお話。冒頭からすごいボケてるんだけど、ぬるっと思想統制されている語り手にゾクっとしながら気付けばレジスタンスの反乱の中心に取り込まれている。同じ世界観で日本各地に散らばる反政府組織を描く連作書いてほしい。乙原朔バース。
- らくだ@camel8262025年3月16日読み終わった感想@ 自宅ついに読み終えた。全体に今まで本と違い、リリカルさが少なく感じられたが、その分重厚で厳かな感じがあって、これはこれで好きだと思った。分かち難い二人の、分かたれた人生を描いた「未の木」が好き。「鎭子」の、何故かすっと気分が明るくなるラスト、表題作「鹽津城」の壮大な国生みを描いた複雑な雄大さが好き。
- らくだ@camel8262025年3月15日読んでる@ 自宅いよいよ表題作を読み始めたが、これは面白い。塩に侵された世界を描いた、並行して進む3つの物語。まだ3つの物語の繋がりはわからないが、3組の主人公たちがどれもタイプが違ってわくわくする。
- らくだ@camel8262025年3月12日読んでる@ 自宅「鎭子」読了。あまり高評価とは言えない感想を読んだばかりなので、ちょっとドキドキしたが、とてもよかった。別の短編集に収録されている「海の指」の姉妹編。生まれつき心臓に病気があり、ある問題を抱えている女性が風変わりな男性とセックスをする。描写がとても艶かしくねっとりとしていて、けれど人生の悲哀と希望を感じさせる、私の特別気に入る作品となった。