
蔭山
@kie_doors
2025年9月13日

メメントラブドール
市街地ギャオ
読み終わった
「私」にはいくつか顔がある。マッチングアプリでノンケの男を釣って喰っては「たいちょー」として行為シーンを裏アカに上げ、平日昼間はSIer企業の院卒若手正社員「忠岡」として労働しながら、新宿区住まいの家賃のために「うたちょ」の姿で男の娘コンカフェのキャストとして立つ元“高専の姫”ポジションー(帯分より)
この時点で目まぐるしい生活をしているらしい主人公にくらくらするのだが、
チー牛という概念が生まれて、それまで曖昧だった情けなさに輪郭が与えられて、本当に良かったと思っている。そういう男たちには一生ジェネリックコンバースみたいなスニーカーを履いていてほしいのに、最近のチー牛たちはちゃんとウォーキングシューズじゃないほうのニューバランスや型落ちしたエアマックスなんかを履いていて小賢しい。(5ページ目より)
店を出て二秒でもち助に撒かれて、別に一緒にタク乗りたいなんて思ってなかったしそもそも私チャリだし、でもちゃんと不愉快さが勝つ。(44ページ目より)
住んでいる文化圏が違うので「共感」というのではないけれど、主人公が自身の感情の機微を斬新な言葉遣いでつぶさに掬い上げていて面白かった。
