成功者の味方は怠慢な他人 "人魚が逃げた" 2025年9月16日

人魚が逃げた
人魚が逃げた
青山美智子
連作短編の醍醐味は一つ一つの物語がパズルのように組み合わさって一つの大きな物語になるとてつもない構成力だと思う。そんな連作短編の一つに分類されるこの作品を読んでいる間も少しずつ繋がりが見えてきて構成力の高さに感激していた。しかし、最後の最後でこれまで自分が作っていたパズルは見当違いも甚だしいものであると分かった瞬間、悔しさがこみあげてきた。特に考察などをして読んだわけではないが、どこかストレートに構成された綺麗な物語を最後まで想像し、なんとなくオチも見えてきたと思った途端に作者の落とし穴に落とされた。 今までなかった読書体験をさせてくれた本。 1600円
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