勝村巌
@katsumura
2025年9月16日

ひとまず上出来
ジェーン・スー
読み終わった
ラジオパーソナリティ/エッセイストのジェーンスーさんが女性ライフスタイルマガジンCREAに連載したエッセイをまとめた本。2016年からコロナを経た2021年くらいまでのスーさんの心の動きがしるされている。
かなり近い時期に書かれた『生きるとか死ぬとか父親とか』『介護未満の父に起きたこと』と合わせて読んだため、アラフィフかつサブカルの未婚女性の一つのメンタルをじっくり読むことができた。
スーさんのような女性がどのような考えに基づいて悩んだりしながら日々を過ごしているのかがかなり赤裸々に嘘がなく書かれている。ラジオの語りとは違い、より内省的なテキストが特徴で、心の動きをしっかりと書き込んでいる。
物事には正解ばかりがあるわけではなく、回答を先延ばしにしたりすることもあるが、そこまでにキチンと考えるべきことは考えているので、この過程を知れるのは素晴らしいと思った。
また、時系列で続いていくエッセイなので、あそこで書かれていたことが、ここでこういうふうに帰結するのか、というような感じでスーさんの生活と共に踊れるような作りになっているのも良い。
割とサバサバしているようです、案外、昔のことなどが忘れられずにクヨクヨしていたり、あんなにこだわっていたことが今となってはどうでもいい、みたいなことはよくある、というようなことがよく表現されているが、そういうところは程度の差こそあれ、誰にでもあるのだな、と共感した。
サラッと読めるが、つどつど引っかかる部分もあり、読み応えや共感のある本でした。

