
すなまち
@suna_mathi
2025年9月16日

灯台へ
ヴァージニア・ウルフ,
鴻巣友季子
読み終わった
うつくしい読書体験だったなと思う。
独特の主語があいまいな視点で、時に冗長に感じるくらい情景も心理も細やかに描写される、だけどそこにあるもの、ひと、その心をあるがままに描き出していった結果おのずからそうなっているという体。
物語の舞台もそこで起こる出来事も、ごく限られた物事でしかないのに、その表し方が緻密かつ美しい比喩や詩韻に満ちていて、特に二部の荒れた屋敷の描写などは眼前に立ち上がってくるみたいだった。遠くから見るとごくシンプルな風景画だけど、近寄って見るとすべて刺繍で刺していましたというような。
美しいものを見たい時にまた読み返したい。
そしてやっぱりラムジーのようなおじさんはちょっとだいぶ苦手なのでした😇



