
もん
@_mom_n
2025年9月17日

ここはとても速い川
井戸川射子
読み終わった
心に残る一節
再読した
@ 図書館
私が好きになる人は男女問わず井戸川射子さんを好きな人が多く、私もその趣味嗜好を理解したいという一心でまずは本作を再読。
2年ほど前は十分に理解できないままさらっと読んでしまったけれど、改めてじっくり読むと表題作にとてもぐっときた。淡々としていて脆くてさみしくてちょっぴり眩しい。とても好きな空気感。
p.38
鼻の頭を中指で、弾ませるように叩いて目をつむると、俺の中ではシャッターを押したことになるねん。すごい景色とか、忘れたくない時にする。
p.42
最初に逃げたんはあんたのお父さんやわなあ、ってばあちゃんが言うとった、俺には、それは救いやってん。もう他の、周りの人とか呪う必要ないやんと思った。元を辿れば、生まれたところからお父さんのせいやわな。
p.49
息は深く吸い込んだ分だけ自分のもんで安心した。
p.121
もっと言ってやれば良かったと、ドリンクコーナーで勢い良く注がれるコーラを見ながら思う、これほどの濁流だったのに。いつもそうだ、怒りを言葉で的確にぶつけられない、だってそういう時はそもそも尋常な心持ちではない、主張できない。いつも抱える単語の広さを思う。


