
r
@teihakutou
2025年9月17日

なぜ人は自分を責めてしまうのか
信田さよ子
読み終わった
アダルトチルドレンとか共依存とか、これまでに読んだ信田さんの本と重なる内容も多かった。
タイトルになっている問いそのものを扱うのは最終章のみ。その章で、芹沢俊介という人の「根源的受動性」のことを知れたのは収穫だった。
──
p.190-191
この根源的受動性というのは、子どもとともに語られないといけない。芹沢さんによれば、子育てにおいて子どもは、「解決の見通しがない世の中に生まれさせられたんですよ、あなたは」ということを誰かに承認されなきゃいけないんです。
[…]
こういう世の中だけど、私はあなたを産みました。あなたに責任はありません。産んでしまったことを、私はちゃんと認めてますよ。これを、「根源的受動性の承認」と芹沢さんは言っている。
[…]
そういうふうに認めてもらうことで、芹沢理論によると「イノセンスの解体」が起きる。「自分には何の責任もない」それが承認されることで、はじめて「自分の人生は自分が主体なんだ」「痛い、お腹がすいたっていう感覚は、私のものなんだ」と、そういう自分を受け止められるようになる。
こう、芹沢さんは言っています。
愛着障害という言葉が流行ってます。この言葉は好きに使っていただければいいけど、愛着とは、本来はこの根源的受動性の承認を意味してるんじゃないかと思います。
──
講座をまとめた本で、話し言葉なので読みやすかった。こことか、痛快で笑ってしまった。↓
「すごくひどいこと言ったあとに、「でもね、こんなこと言ってくれるのは親だけだからね。他人はね、思ってても言わないんだよ」って言う。すごく手が込んでますよね。私も芸術的だなと思って聞いたりしてます。こんなに手のこんだ言葉は、アートでしかありません。」(p.152-153)





