読書好きのうさぎ "アルジャーノンに花束を新版" 2025年9月16日

アルジャーノンに花束を新版
アルジャーノンに花束を新版
ダニエル・キイス,
小尾芙佐
彼はただずっと、笑い合って話せる友だちがほしかった。 ただそれだけ。 少し頭がよくなって、友だちといろんな話ができればよかった。ただそれだけだったんだよなあ。最後までその想いは変わらなかった。 自分が(知的に)衰えてゆくことを理解しながら生きるのはどんなにつらいだろう。以前まで理解できていたことがある日1ミリも理解できなくなる恐怖。 彼の人生でただひとり、アルジャーノンだけが彼の友だちだったのかもしれない。 「お墓に花を供えてあげてください。」泣きそうになった。自分と同じ運命を辿り、死んでいった小さな存在。自分もいずれ同じ末路を迎えると嫌でも知っている。 友だち。友だちってなんだろうね。 ただ話を聞いてくれる相手がいることがどんなに恵まれているか。一緒にただ本を読んで、笑って話をしてくれる相手がいることがどんなに幸せか。 ありがたいなと思う。
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