
読谷 文
@fumi_yomitani
2025年2月14日

美は傷
エカ・クルニアワン,
太田りべか
読み終わった
何故こんな暴力と性暴力に満ち溢れたひどい話を執拗に読まされねばならんのだ、とドン引きし、なのに主人公の娼婦デウィ・アユと女たちよ、達観しすぎてておかしいだろ、と突っ込み続けながらもページをめくる手は止められない。
そして14章からいよいよ伏線が回収されてゆくにつれて、否が応にも物語は熱を帯びてゆき、結末のカタルシスはすごかった……。決して好みではないタイプの話にもかかわらず、ぐいぐい読まされてしまう吸引力が超強烈な作品。比喩がやたら面白くてツボだった。
「傷だらけのインドネシアの歴史と人々を、物語表現によって再構築している」という訳者あとがきによって、この物語を少し理解できた気がした。


