
ゆけまる
@yukemar_14
2025年9月18日

スピノザの診察室
夏川草介
読み終わった
とても好きな本に出会った!
スピノザが好きな身としてはもちろんスピノザ味のある要素を探しながら読むわけですが、どれもが絶妙な力加減で語られてて、マチ先生の哲学の根幹を成しているのに、全く押し付け感がないのがすっごくよかった。「深い諦観があったが、暗い絶望は見えなかった」っていうさりげない一節がなんだかスッと入ってきた。決定論的必然性を受け入れることと、自由に向かって実践を重ねていくつまり努力していくこと、それぞれ単体ではわかるというか好きな考え方なんだけど、同時には並び立たないというか私の中で折り合いがまだつききってなくて、でもちょっとだけ理解に近づいた気がする。「何でもできるって万能感を抱えながら無限に走らされる方がずっと過酷」
マチ先生と花垣先生、どっちも、というか二人合わせてほんっとにかっこよかった。痺れるタイプのかっこよさ。命を左右する緊迫するシーンでの鋭い判断、先回りして手を打っておく危機管理能力。全体を通しては柔らかい、温かいお話だけど、医療モノのいわば醍醐味とも言えるような緊迫感あるシーンもあって、全体としてほんっとに面白い話だった。しかももう続編が発売目前!そんなの絶対買うじゃん。
あと、ご多分に漏れず、、京都の和菓子の描写絶妙すぎてほんとに食べたくなった。知ってたのは阿闍梨餅だけ。私は「焼栗の金平糖」が気になった。なんぞそれ



