
shoghts
@shoghts
2025年3月7日

世界99 上
村田沙耶香
読み終わった
1984年、三体、なんでもいいんだけど、SFやディストピア作品って自分の日々の生活からあまりにもかけ離れているから、その物語上での当事者感という意識が持てない。
けれどこの作品に関しては、その世界が肌からあまりにも近すぎて、まるで自分が住んでる/住んでた世界そのものだと思わせる力が強すぎる。だからこそ、くらっちゃう。
脳みそハンマーで殴れられるような、心臓がプレスで挟まれるような、心を執拗に苦しめて幽閉されてしまうような、気分はとても暗くて心は重くて、だからこそどこかに光や希望を見出さそうとする、それがこのページを捲る力になってた。
僕は僕なりに下巻にユートピアを見出したい。
その説得材料や世界観の形成にもなっている、性的暴力/差別/暴力・暴言/動物の死/自殺・他殺の描写はあまりにも生々しすぎて、具合が悪くなるから苦手な人は注意です。
さあ、下巻読むぞー。
↓本文中で好きな箇所
夜の雨は、街灯が反射して微かに光って見える。真っ黒な世界に、細かい傷が沢山ついているように見えた。