
もん
@_mom_n
2025年9月20日

この世の喜びよ
井戸川射子
読み終わった
心に残る一節
@ カフェ
最近はひたすら井戸川射子さんの本を読んでいる。
p.45
娘たちの誕生日には、あなたはいつも産院にいる自分を思い浮かべ、力んでいる腰に手を平たくぐっと当ててやるのを想像する。本当にそこに行ければ、もらい泣きでもしながら親身になって、幾晩でも撫で続けるだろうが、今この私に降りかかっている痛みでなくて良かったと、思ってしまうだろう。撫でられている自分は敏感に、それを察知するだろう。
p.61
ゆっくりとしか時間は流れず、あなたの体がぼんやりと倒れそうになる、わざとだ、別にしっかり立っていなくてもいいと、思ったからふらついたのだ。
p.95
長いのを話している途中で少女が走り去ってしまいでもしたら、あなたは傷つくだろう。怒る時胸ぐらを掴む教師がいたのは、そうして固定でもしていなければ、最後まで聞いてもらえる自信がなかったのだろう。


