
うみこ
@umico5
2025年2月15日

ミトンとふびん
吉本ばなな
読み終わった
「あきらめているのでもなく、淡々としているのでもない、静かに燃やしているのだ、この命を。」
装画のなかの深い色をもらったようなスピンが美しい。
あとがきのばななさんの言葉がとても良かった。ただ長くて書き起こせないので、読みたくなったら再読しようと思う。そんな思いで書いてくれているということがそれだけでもう救いだ。「よりさりげなく、より軽く、しかしよりたくさんの涙と血を流して。この本が出せたから、もう悔いはない。引退しても大丈夫だ。」既視感のある言葉…と思ったらばななさんにとって「デッドエンドの思い出」の次の山がこの作品だったのかぁ。期せずしてその二作品を続けて読めたしあわせ。ばななさんの二十年がぎゅんっと迫ってきたみたいだ。知らないうちに身体のすみずみに沁み込んで、忘れた頃に血肉になってくるような物語たちでした。


