
あさぎ書房
@ASAGI_BOOKS
2025年9月21日

くますけと一緒に
新井素子
読み終わった
帯文に期待したような「そっちの話だったの?!」的仕掛けがあるわけでもなく、レビューで描かれているような心温まる物語でもない。
ぬいぐるみも里親の愛情もわたしの目には狂気にしかうつらず、終始ぞわぞわしながら読んだ。平成初期のライトな文体も、不穏な気持ちをより一層かきたてる。
最後に、「実は作者のあとがきって、主人公の成美が長じて書いたものでは...?」と勝手に想像して読んだ。
「うちには四百を超えるぬいぐるみがいて、(中略)殆ど、ご町内の名物・ぬいぐるみ屋敷になっている」
あとがきの「あ、作者、そっち側の人間だったんだ...」というのが私にとっては1番のどんでん返しかつホラーな瞬間だった。