芋仁 "すべての、白いものたちの" 2025年9月22日

芋仁
芋仁
@imogine
2025年9月22日
すべての、白いものたちの
すべての、白いものたちの
ハン・ガン,
斎藤真理子
いろいろあって 「今だな」と読み切った。 ハン・ガンさんの本を読んでいると 「これでいいんだ。私も、これでいい、こういう風に日々を過ごしていいんだ」と思える。 余白に息ができる。 涙の源を見逃さずにすむ。 潤む呼吸は今日を生きる一歩。 死者と生きる私の背中をさすってくれる。 「私の白」も、生命(いのち)に繋がっているのだなと思うとあわいの色も愛おしい。歴史と向き合う力をくれる。 巻末の、斎藤真理子さん(訳者)の文章もまっすぐに入ってきた。たくさん線を引いた。自分を励ますように。 平野啓一郎さんの解説も真摯であった。全ての鎧を外しこうべを垂れる姿勢。だからこそ小説家として「恢復(かいふく)」について静かに見つめる眼差しが感じられたのだと思う。
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