図書館マン "転職ばっかりうまくなる" 2025年9月20日

転職ばっかりうまくなる
図書館本。およそ200ページあるので、一日50ページ読んだら4日近くはかかるか……と思っていたものの、こんなグイグイ読んでしまった本は久しぶりかもしれない。久しぶりに人に勧めたいと思う本が出てきた。 ”自分の心と体を守れるのは自分しかいない”。まごう事なき事実に救われる時もあるが、この一文を読むと、同時にじわじわと悲しさもやってくる。 自分の心と体が傷ついたとき、”自分以外にも自分のことを助けてくれる人はいる”って言える社会であるべきだと思うから。 でも実際に読んでみると、そう言い切ってしまいたくなる感情が分かるし、それほどまでに酷い扱いを会社の中で受けてきたことが分かる。 本の全体的な雰囲気としてはギャクっぽくはあるのだが、仕事の多忙感や上司からのパワハラ発言を聞いていると、心にくるものがある。 就職したことはないが、目上の人間からのパワハラ発言と新卒就職を諦めた経験がほとんど同じなので、同調して勝手に苦しくなる時もあり。 パワハラにトラウマのある人は、一気読みすると心にくるものがあるので、ちょっとずつ読み進めていくのがおすすめ。 ただ、普通に読んでいて笑えるようなところも同じくらいある。(入社すぐに渡された会社用の携帯にロックがかかって一週間使えなくなったり。本で知った会社の面接に行ったら、会社を間違えて面接受けに行ってたり。 血便が出て検査を受けたのに原因不明で帰るとか。血便の原因がわからないってことあるんだ……と個人的には驚いた) 著者のひらいめぐみさんは、嫌なことをやらず、ほどほどに楽しく生きることを大事にしている点では大真面目ってわけではないと思います。でも言われた仕事は一回やってみるし、パワハラ受けても就活粘って続けるし、根っこの部分は真面目なんだという印象で。基本的には頑張り屋なんだと感じました。 自分は慎重な方だと思うので、慣れればミスは多くならないと思いますが、かといって、ひらいさんレベルの真面目さや頑張りを職場で発揮できるかと聞かれたら自信がない。 仕事に使えるかどうかはさておき、ひらいさんの強みはそこにあるんじゃないかな~と、なんとなく感じた。 仕事をしていない身分としては、あとがきに少し救われたので、ぜひご自分の手で読んでみてほしい。 この本はギャク要素を大事にしたいのかな?と思うので、別にパワハラの悲惨さを綴ったものではないとは思いますが……。 読み終わってすぐに思ったのは「生きていてくれて本当によかった」という気持ちです。
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