
あむ
@Petrichor
2025年9月23日

今日のハチミツ、あしたの私
寺地はるな
読み終わった
人生に迷ったときに読み返したい大切な本がまたひとつ増えました。
以下ネタバレ含みます
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読みながら、イライラしていた。
ひどい仕打ちを受けてもなお、安西を手放さない碧の気持ちが理解できなかった。
けれどその苛立ちはきっと、自分を見ているようだからなのだと思う。
客観的に見ればわかるのに、絶対に幸せになれないとわかるのに、自分のことになると途端にわからなくなる。
だからこそわからないなりにもがき、自分の力で他人を頼らず根を張り、
「幸福も不幸も単なる人生のオプションである」
とまで言った碧は私にとってとても眩しく、美しかった。
碧は家も仕事も失い土壇場に立ったから変われたのか?
私はそうではないから変われないのか?
そうではない、そう思いたい。
真百合が言った「自分の手で勝ちとる」こと、
自分の幸せに他人をあてにしないこと。
それは今の自分にも、きっとできる。
偶然の出会いを偶然に終わらせず、もらった言葉の真偽ではなく価値だけを大切にしながら生きていきたい。
そんな人生の教訓をこの物語から教わることができたのだから。
