
柿内正午
@kakisiesta
2025年9月24日

読んでる
“ディスコが音楽の主流産業に食い込んだとき、その快楽主義はきわめて個人的なものとして広まった。その自己中心的な欲望もまた、共同体を重視した、六〇年代のヒッピーやブラック・ミュージックが批判しなければならないものだった。トム・ウルフの七〇年代アメリカ文化エッセイ集「そしてみんな軽くなった」(一九八〇)によれば、七〇年代のアメリカには実体のない快楽主義が蔓延していたという。快楽主義と「わたしを見て!」といわんばかりのミーイズムの世界、ビジネス街では昼休みにサラリーマンがマリファナを回し飲みし、離婚、宗教、健康食品、超能力、UFO、ジョギングなどなどが流行し、「自分が舞台にのぼりたがるようになり、自分の行動、自分の人間関係、自分の悩み、自分の性格を分析しはじめた」のだ。ディスコ・ブームはこうした快楽主義にうってつけだった。” p.24




