
ユメ
@yumeticmode
2025年9月4日

宝石商リチャード氏の謎鑑定 導きのラピスラズリ
辻村七子,
雪広うたこ
読み終わった
感想
前作『天使のアクアマリン』の終わり方が衝撃的で、万が一にもあのまま正義とリチャードの日常が失われてしまったらあまりに惜しいと思っていたため、今作の結末に胸を撫でおろしている。途中の展開には本当にハラハラドキドキしたが、エトランジェでの日々が守られてゆくことになって本当によかった。
リチャードの行方を追うべきか迷う正義の背中を谷本さんが優しく押す、その台詞にしみじみした。この二人のあいだに結ばれている柔らかな信頼関係が好きだ。正義のリチャードに対する「好き」という気持ちを、谷本さんが恋であるともそうでないとも断定しなかったのもよかった。「好き」という想いはそれぞれに尊くて、一様にラベルを貼って分類しなくてもよいはずなのだ。

