
ほせ
@coffee_dog
2025年9月25日

バイバイ、ブラックバード<新装版>
伊坂幸太郎
読み終わった
Readsで知った本で気になったので読んでみた。伊坂幸太郎の本をまだ2、3冊くらいしか読んだことがなく、私の中では、まだ作家性を掴みきれていない作家さんだったので、彼らしい作品だという帯も後押しして買いました。面白かった。特効薬のような面白さじゃなくて漢方みたいな感じかな。後からじわじわと聞いてくる感じ。感情的な登場人物が少ないからかちゃんと第三者として物語を読めた。誰にも完璧な感情移入はしないのだけど、共感できる部分があって、新たに人と出会う時に感じる楽しさを感じた。自分との共通点や違う点を感じながら相手の考え方を知り、そんな考え方もあるのかと知る面白さ。5人の女性は男と別れる女というところで共通しているけれど受け入れ方もどんな結末を迎えるかもそれぞれで、人間の本性は別れ際に現れるのかも知れないと感じた。一生の別れだけでなくても、遊んだ日の別れ際とか。確かに「別れる」ということに対する考え方は、その人の人となりが現れるなと経験を振り返って思った。作者インタビューも面白かった。常々物語を紡ぎ出す人はどんな頭をしているのかと思っているのですが、少しだけ覗き見られる感じがした。この作品がゆうびん小説なこともここで知ったのだけど、いいなぁ。楽しそう。太宰治のグッドバイを読んだらもっと楽しめそうなので読んでみたい!

