
たご
@clan_1967
2025年9月24日

キャラメル工場から
佐久間文子,
佐多稲子
読み終わった
『虚偽』という作品が印象深い。
戦争へと吹き荒れる世論の中で、隠れ蓑を着たつもりで戦地に赴いた彼女。時局に迎合したつもりなど毛頭なかったのに、後の世からは、戦争協力だと罵られる。書いたのは純粋に、その地の兵隊たちに心が動かされたからであったのに。
けれども、世間に流されてはいなかったと、本当にいえるのか。虚偽を着て戦地に行ったと思っていたが、その心こそが虚偽ではなかったか。
静かに苦悶する文体が切ない。

