キャラメル工場から
30件の記録
ぬ井(3匹のペンギン文庫)@omomochiroom2026年4月9日読み終わった戦前、戦中、戦後。歴史に名の残らない市井の人々の暮らしや心情が、冴えた筆致でありありと浮かび上がる。 貧しくとも楽しいおでかけの道中で、パンスケに堕ちた同級生を見かけてしまう「薄曇りの秋の日」の、なんとも言えないやるせなさとか、どれもご都合主義の真逆で、悲しみや怒りを抱えて終わったり、ほんの少しの希望がにじんでいたり、ままならなさを描いている。容赦なく人生だ。


しき@syiki2025年11月15日読み終わった少女の頃からの労働や、プロレタリア文学の書き手であること、戦地を慰問したこと、それから友人、同志との交流など・・・自身の経験に深く根ざした作品たち。現実と創作の間をぬうように感情がながれる。自己批判や内省をふくみつつ、過去の自分たちを見つめ直しているような視線が、やさしく哀しげ。 『女作者』『虚偽』など、戦地へ作家として赴き兵士たちに聞いた話を作品にするという、戦争協力といえる立場の心境を描いたものが印象に残る。 「隠れ蓑を着たつもりのまんまで、自己を失ったことに気づかず、軍指導者の要求を果したのである。」
たご@clan_19672025年9月24日読み終わった『虚偽』という作品が印象深い。 戦争へと吹き荒れる世論の中で、隠れ蓑を着たつもりで戦地に赴いた彼女。時局に迎合したつもりなど毛頭なかったのに、後の世からは、戦争協力だと罵られる。書いたのは純粋に、その地の兵隊たちに心が動かされたからであったのに。 けれども、世間に流されてはいなかったと、本当にいえるのか。虚偽を着て戦地に行ったと思っていたが、その心こそが虚偽ではなかったか。 静かに苦悶する文体が切ない。


ユウキ@sonidori7772025年5月10日買った読み終わった弱者に寄り添った社会運動や、結果的に戦争に加担してしまった経験が反映されていて読み応えがあった。プロレタリア文学、あんまり読んだことがなかったけど佐多稲子もっと読んでみたい。
























