
ハム
@unia
2025年9月26日

熊になったわたし 人類学者、シベリアで世界の狭間に生きる
ナスターシャ・マルタン,
大石侑香,
高野優
読み終わった
人間主体で物事を考えすぎるのは文明化した時代にはなかなか避けられないからこそこういった人類学ベースの知見が大事なのだと思う。
熊と人が混じっているとか、つながっているとか正直なところよくわからないんだけれど、著者自身もそれらをわからないまま悩み、模索し、人類学的な方法論で向き合っていく過程は読み物としてもおもしろい。
自分のなかに熊が同居する人はなかなかいないだろうけど、個人のアイデンティティは程度の差こそあれさまざまなものが混じることで作られていくことを考えると、自分であっても自分という人間についてはわからないことのほうが多いのかも。
フィールドワークしている文化に根ざした価値観の反映があれど熊に噛まれたことをトラウマにせず向き合う著者の胆力には驚く。
いろいろ揺さぶってくれた。
