
ひなたの本好き
@054-10ps
2025年9月22日

読み終わった
@ 恒久
読了。
あとがきで筆者が書いている通り、ストーリーとしては極めてシンプルなものだったと思う。
それでも文庫で1,000p近い文量となっているのは、山と山に挑む人間の迫力をひたすらにこれでもかと描いているからではなかろうか。
羽生の手記然り、深町の南西壁アタックに然り、その書き込みの徹底ぶりに鳥肌が立つ。
安全な室内で読んでいるのに、自らも雪山に身を晒しているようだった。
たびたび問われる『なぜ山に登るのか』という問いは、自分がずっと抱いている『なぜ本を読むのか』という問いに通じるところがある気がしている。
作中で出てきた『人は何らかの途上にある』『山から生きて帰り、また山に戻り、それを繰り返し続ける』というある種のアンサーめいた言葉は、これからの自分の糧となるだろう。
