
ミク
@__fjmrmk__
2025年9月26日

この世の喜びよ
井戸川射子
読み終わった
200ページも満たない小説だから、さっと読めるとたかを括っていたが大間違い。まず「あなた」の二人称から語られる独特の始まり、文はあまり途切れることなく句点を多用に使っている。最初あまりの読みづらさに手を止めようかと思った。けれど次第に読んでいくにつれぼんやりとしていたストーリーの輪郭がだんだん鮮明になる。この読みづらさは国語の教師を経て詩人でもある作者が故に文体に囚われないことばあそびの自由さの賜物なのだ。そこに気付いたときあっという間に全て読み終え、余韻が残る読書体験が残った。



