木埜真尋 "木挽町のあだ討ち" 2025年9月22日

木挽町のあだ討ち
audibleで読むのにぴったりの小説だった。 菊之助という若侍が、芝居小屋の立ち並ぶ木挽町で、父を殺した下男作兵衛に仇討ちを立て、国許に帰ってから2年が経った。 このほど妹が菊之助と結婚することになった加瀬総一郎は、菊之助から木挽町の仇討ちについては芝居小屋の方々に聞くように言われ、1人また1人と話を聞いて回る。 木戸芸者の一八、殺陣師の与三郎、衣装係の吉澤ほたる、木工職人・久蔵の妻お与根、そして戯作者の篠田金治。彼らからひととおりの話を聞き終わった加瀬総一郎は菊之助の家屋敷に戻る。そこで語られたことは……って話。 それぞれの章は話をしている登場人物の1人語りとなっていて、audible版ではそれぞれ関智一、安元洋貴、野島健児、三石琴乃、小西克幸、小林千晃がキャスティングされている。豪華な声優陣の語りも手伝ってするする頭に入ってきたし、芝居愛に満ちた面白い話だった。歌舞伎版もそのうち見てみたい。今年の大河ドラマ「べらぼう」と時期がかぶっているので、大河を楽しく見ている人にもおすすめ。
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