木挽町のあだ討ち

13件の記録
- 翠@mdr_332025年3月31日読み終わった面白すぎる。面白い、、面白い、 全てが面白くて、するするする〜と読めてしまう 時代小説ということが頭から抜けるほど読みやすい 自分が読んだ小説を、こんなにも人におすすめしたいと思ったことはない
- よむむ@book_yommm2025年2月22日読み終わった2025年15冊目 歴史小説がなんとなく苦手で、なのでこういう時代物っぽいのもなんとなく避けてきた。 以前Xでこの本が本当に面白いと紹介されていた方がいたので図書館で予約。忘れた頃に順番が回ってきて、なんとなくパラパラ読んでいたのだけど、ぐいぐい引き込まれるテンポの良さと人情味あふれる展開にボロボロ泣いて、あっという間に読み終わった。 とある人物が、木挽町で起きた鮮やかなあだ討ち事件のことを目撃者たちに聞いて回るという構成。 芝居小屋の関係者たちそれぞれのキャラクターが活きていて、語り口調がチャキチャキの江戸っ子だったり、寡黙な武士であったり、そのあだ討ちを果たした人物・菊之助関係性も見えてきて面白い。 なぜ話を聞いて回っているのか?菊之助との関係は?が終盤に見えてくる。一連のストーリーももちろん面白いのだけど、各章の人物が話す人生観や人情がじんとひびいて、大切にしたい会話がたくさんあった。 策略に嵌り武家を追われた侍に町民がかける言葉が良い。 「まずは御身を大切に。腹を満たして笑うこと。それでも割り切れぬ恨みつらみもありましょうが、そいつは仏にお任せするのも、手前どもの処世術というもので。」 なんだか人生が退屈で、このまま武家の決められたレールを歩いていくのかと言う男に筋書きが語る言葉もいい。「面白いもんはいつか誰かが何処かから持って来てくれると思ったら大間違いでっせ。面白がるには覚悟が要るんです。面白がらせてもらおうったって、そいつは拗ねてる童と一緒や。でんでん太鼓を鳴らせるようになったら、そこから先の退屈は手前のせいでっせ」 あぁいいなぁ、とじんわり思う余韻の作品だった。