りら "ファラオの密室" 2025年9月27日

りら
りら
@AnneLilas
2025年9月27日
ファラオの密室
ミステリー色は薄めでトリックも想像の範囲内だったけど、何よりも古代エジプトの実在の王の治世下という舞台設定、主人公=探偵役自身が事件の被害者であり死者でありミイラであるという設定を存分に活かした作品として面白かった。 近著だと『クローズドサスペンスヘブン』が死後の世界を舞台にしていたけど、『ファラオの密室』だと死者なのは主人公だけで、ミイラが現世に復活してきてもみんなナチュラルに受け入れてて、これはミイラ化処理がありふれた葬送様式だった古代エジプトでないと成り立たないよなあと唸らされた。 作中登場する王墓に葬られるアメンホテプ4世=イクナートンは古代エジプト史でもかなり知られたファラオだし、この時代特有の宗教事情については勉強になった。 女神マアトは何となく『葬送のフリーレン』のゼーリエみたい。
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