キリスト教のキャンペーン力と言うか、クレバーさみたいなものも感じられて本当に面白い。神に真理の所在を問う裁判から始まり、悪魔(メフィストフェレス)と書面で契約を取り交わすまでの一連の流れが、法律や歴史の解説というよりも一種の物語的な楽しさがある。 嘘つきは数字を使うっていうけど、悪魔は契約書を使うんだね。

あと本当に代闘士の立場がひどすぎる。 神の意思を代行する人間なのに被差別身分っていうの、多分自死を罪とするキリスト教ならではの価値観なんだろうけど、罪人に法的な拘束力のある証明をさせるっていうのも、ものすごく矛盾を感じるのは私だけなんだろうか。 八百長を防ぐためとは言え、負けたら二度と戦えない身体にするのもひどい。

二読目！！初読の時とは意識の置き方を変えて読んだらあまりに面白すぎてびっくりした…。本って読んだ時の思考や精神状態によって捉え方が大きく変わるって言うけど、ここまで違うのかとそう言う意味でも頭を打たれた気分……。こんなにも美しい文章を書ける法学者さんがいるのかと、そう言う意味でもびっくりした……