
うかんむり
@ukanmuri
2025年9月30日

流浪の月 (創元文芸文庫)
凪良ゆう
読み終わった
また読みたい
読書日記
事実と真実
「汝、星のごとく」を買おうか悩んで、他の作品を読んでから読もうと思って、中古で見つけて買って読みました。
「事実と真実は違う」
事実は客観的に見たらそうかもしれない。だけど、真実は当事者にしか知らない。事実だけを見た外野が騒ぎ立てることで、真実とかけ離れていき、当事者たちを苦しませる。
優しさ、正しさという凶器。ひたすらそれに苦しめられていて、とても辛かったし、どうやったら2人は幸せになれるのかと苦しくなった。
優しさ、正しさという凶器は、私も加害者として悪気もなく優しさを振り回しそう、すでに振り回しているかもしれないと思った。
カフネを読んでも感じたが、自分以外の人のことはわからないからこそ、優しさが傷つける可能性もあることを念頭におきたい。
更紗と文、お互いがそれぞれ苦しんでいる中で、何回か出てくる2人で過ごす・会話のシーンは、本の中でも時がゆっくり穏やかに進んでいるように感じて、このまま続いて欲しいと願った好きなシーンです。
友達でもない、恋人でもない、名前のつけようのない心のつながりのおはなし。泣いてしまった。
ハードカバーで買いなおそうかな。
