
maru
@hon7177
2025年9月29日

C線上のアリア
湊かなえ
読み終わった
心に残る一節
@ 自宅
めっ…………ちゃ面白かったあ…………
自分は介護経験が無いけど、それでも日々身も心も削られていく様や息苦しさがすごくわかってモヤモヤしてしまった。
イヤミスの女王と言われる湊かなえさんやけど、これはそうでもなかったのではないかなと思う。少しずつ秘密や謎が分かっていって、視点が変わると見え方も変わって、後半の怒涛の回収もすごかった。
介護ミステリーと聞いた時にそのふたつがどう繋がるのかわからなかったけど、たしかに介護ミステリーだった。。。
弥生さんと公雄さんのご夫婦が素敵。あんなふうに味方してもらえたら本当に心の支えになるやろうなー
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p.19
人間が生きていくためには、汚いものや臭いものと切り離せないことを。誰かが「それ」を担わなければならないことを。女の役割だ、という声に抗う前に、目の前にあるものを片付けなければならず、それを終えるともう声を上げる気力も失われてしまうということも。
p.30
私は逃げていたのだ。瞼を閉じなくても、手で耳を覆わなくても、見たくないもの、聞きたくないものを受け流す術が身に付いてしまっていたのかもしれない。考えたくないこと、思い出しだくないことに関しても。
だが、そうしなければ心が壊れていた。人生におけるあらゆる問題すべてに真正面から立ち向かえる人など、どれほどにいるのだろう。
p.32
こちらから頼むという行為をせず、やってくれないと不満を抱く。あの人たちと同じじゃないか。お願いします、というたったひと言を求めているのに、自分自身もやっていない。
p.181
皆、炎の中に何を見たいのだろう。いや、頭の中のもやもやした思念を燃やし、空っぽにすることが目的なのかもしれない。
p.227
どんなに大切な宝箱でも、一人で背負うのには重すぎると、きっと、負担になってしまう。どうして周囲は助けてくれないのか。分担してくれないのか。せめて、優しい言葉をかけてほしい。