りら "ウナギが故郷に帰るとき" 2025年10月1日

りら
りら
@AnneLilas
2025年10月1日
ウナギが故郷に帰るとき
ウナギが故郷に帰るとき
パトリック・スヴェンソン,
大沢章子
アリストテレスとフロイトが人生の一時期それぞれ少なからぬ情熱を傾けて多数のヨーロッパウナギを解剖し、研究していたという歴史的事実、レイチェル・カーソンが想像のままに美文で綴ったウナギの一生……奇数章はウナギの謎めいた生態をめぐって繰り広げられる科学者たちの涙ぐましい研究成果、偶数章は著者自身の父親とのウナギ釣りの思い出が語られることで紡がれる、人間とウナギとの不思議な因縁。 ウナギが未だ尽きない謎を人間にもたらす一方、謎を残したまま刻一刻と絶滅への道を辿っている現状に、底知れないものを感じた。ウナギもドードーやステラーカイギュウと同じ運命になるかもしれない。 余談だけど、ヨーロッパでのウナギの調理法はどれも不味そう。 たぶん、鰻が好きな人は読み終わったらますます鰻が食べたくなるだろうし、元々鰻を食さない自分はますます食べたくなくなった(賛辞です)。
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