
サヤ
@sayaemon
2025年10月1日

漂着物、または見捨てられたものたち
ルーシー・ウッド,
木下淳子
読み終わった
冬曇りの孤独な海が好きなので、タイトルと装丁に惹かれて手に取ったらば大当たり!
コーンウォールを舞台に語られる短編集は、そのどれもが寂寞と、停滞と、焦燥とに満ちている
ここではないどこか、豊かな何か、愛せる誰かを求め続けていながら、あと一歩が踏み出せず、荒い海風や冷たい荒野に囚われ続けている登場人物達がとてもリアルで愛おしく、美しい情景描写も相俟って、まるで私まで冷たい潮風や細かい砂の匂いを間近で嗅いだような気がした



