漂着物、または見捨てられたものたち

32件の記録
- サヤ@sayaemon2025年10月1日読み終わった冬曇りの孤独な海が好きなので、タイトルと装丁に惹かれて手に取ったらば大当たり! コーンウォールを舞台に語られる短編集は、そのどれもが寂寞と、停滞と、焦燥とに満ちている ここではないどこか、豊かな何か、愛せる誰かを求め続けていながら、あと一歩が踏み出せず、荒い海風や冷たい荒野に囚われ続けている登場人物達がとてもリアルで愛おしく、美しい情景描写も相俟って、まるで私まで冷たい潮風や細かい砂の匂いを間近で嗅いだような気がした
- mikechatoran@mikechatoran2025年7月6日読み終わった海外文学素晴らしい読み応えだった。夏は大勢の客で賑わう観光地でもあるコーンウォールだが、著者はむしろ寂れたコーンウォールを背景にして、不穏で緊張感の漂う、現実と幻想の間(あわい)を繊細に描く。語られたことより、語られなかったことが大きく静かな余韻を残す。後には波の音が残るだけだ。印象的だったのは「アンテナ」「帰郷」
- Ub!K@cherub_08022025年6月22日読み終わった同著者の「潜水鐘に乗って」も良かったがこっちも好きだ 海辺の街で育ったので身近に海がある物語は肌に馴染む "空っぽの家" 若者たちが浜で宝探しをする青春もの"すぐの未来に" サーフィン好きの父親と宇宙飛行士になりたかった〈きみ〉の関係性の記憶を辿る"波乗り" が好きかな