
Anna福
@reads--250309
2025年10月2日

富士山
平野啓一郎
読み終わった
また読みたい
かつて私は「選択恐怖症」だったかもしれない。人生の岐路で選択を誤ったと悔やみ続けていたからだ。
人は誰しも「あの道を選んでいたら…」「あの選択に救われた」と過去を振り返る。あり得たかもしれない別の人生に思いを馳せることもある。
けれど、今この瞬間、こうして本を読んでいる自分を慈しむべきなのだ。 たとえそれが胡蝶の夢であっても。真の胡蝶は誰だ。
『息吹』のラストには、思わず声が漏れた。
短編四作と掌編『手先が器用』。
作品の並びも心地よく、最後には京都・鴨川で禊をしたような清々しさが残った。どれも素晴らしい作品だった。




