
山瀬武士
@tyamase
2025年10月4日

バカの壁
養老孟司
読み終わった
audible
長くなってしまった・・・
キャッチーなタイトル且つ存在は知ってた。
筆者が感じてる矛盾・疑念・アベコベとそれに対する見解を述べてる作品だと認識。想像だけど『壁』というのはその壁の向こう側が見えてない。視野が狭い。という事を比喩してるかなと思う。聞きながら印象に残った所のみ綴る。理解浅い部分は聞き直したい。
◾️話せばわかるは大嘘
『出産』に関するビデオの男女大学生の感想の違い。
自分が知りたくない事は情報を遮断する。与えられた情報への姿勢の男女差異。そこから何か発見しようとしない。男にとって、出産は自分とって関係ない事と捉えてる。
説明・言葉で伝えればわかる。と思ってる人が多い。言葉だけで、そんな現実のdetailまでわかるほど簡単な話でない。
宗教と科学
作品全体で出てくるけど、『絶対的なもの』『何かの拠り所』みたいな感じで捉えられてる。良いようには捉えられてない。特に、科学は事実なのか推論なのかを見極めるのが大事で、行政に科学が介入しすぎる事を筆者は危惧してる。
★気付き
自分も不都合な事に対して情報を遮断したりしてないか?不要なことはいいけど、必要だけど都合悪い。みたいな事とか無意識にそうしてないか考えさせられる。
◾️脳の中の係数 y=ax
入力X :脳に入ってくる情報
出力Y :実際の行動や運動・アクション
係数a :脳内でのXに対する現実の重み、脳の運動
行動に影響しない入力=その人にとって現実的で無い。適切な脳の係数aを持つ事が大事。
男子学生にとって出産は現実的ではなかった=係数aがゼロだった。と考えれば、自分では不可解だと思える他人の行動も少しは理解できるか。所謂オタクと呼ばれる人は興味のある一定分野におけるaの係数が非常に高いといえる。
★気付き
面白い捉え方だと思った。他人の行動言動見て、コイツ係数デカいな。コイツ係数ゼロやん。マイナスやん。って考えると面白いかも。自分も適切な係数持ててるか考えさせられる。
◾️個性を伸ばせという欺瞞
個性を伸ばせ。オリジナリティを伸ばせ。
そんな事を無責任に広める社会の風潮を筆者は疑念を持ってた。個性が大事と言っておきながら、実際には組織の秩序や共通理解を乱さないようにとか、他所の人の顔を伺ってばかり。求めてるのは組織が期待するパターンの個性。組織が期待するパターンの個性って何?矛盾してるよね?まずそういう現実を認めろ。との事。
個性なんて、初めから持ってるものでそれ以上それ以下もない。個性は身体的なところを言う。イチローや松井など。努力もあるけれど元々与えられてる身体的なものが個性という感覚。
★気付き
確かにその通りだけど身体が個性なら、大半の人は個性的ではないって話になるのか。そしたらそもそも個性って言葉自体なんなんだろうって考えに陥った。
◾️万物流転情報不変
個性は身体に宿るもの。脳に宿るものではない。本来はこうだけど昨今は逆転してる。
人間は去年と今年、昨日今日でも違う物。同じ勘違いが情報にも起きてる。変わるもの変わらないものが、昔と今で逆転してる。平家物語と方丈記の冒頭がそれを表してる。
情報は日々変化し続け、自分は変わらない。と思われているが、これは逆。情報こそが不変であり自分は日々変化していくもの。歴史上の事物の言葉とかそういうのがそのまま残ってる。これが情報。
◾️教育の怪しさ
・でもしか先生
サリーマンは給料の出所に忠実。仕事に忠実ではない。職人は作品に忠実。じゃないと飯が食えないから。教育はどうだろう。教育の結果である子どもが作品。という意識が薄れ、教師がサラリーマンになってしまった。教師は職人であるべき。
親、校長、PTA、文部科学省。この辺りに目が行き子供に目が行かなくなった。自分の信念貫いてこの辺に歯向かって教育。みたいなのは現代ではなかなか難しい。
・アホな自然教育
幼稚園児の芋畑での芋掘り。芋掘りしやすいように、一回掘って埋めてあるとのこと。人為的な環境だった。これでは自然教育でも何でもない。これに違和感を覚えないのに苦言。自分が正しいと思ってるバカが1番困る
・教育の矛盾
俺を見習えってスタイルで教育をしてる教師がどれくらいいるだろうか?教育とはそういうものなんじゃないだろうか?せめて、自分に知見があって面白い。楽しい。と思うことだけ教えろ。