
堺屋皆人
@minahiton
2025年10月3日

逆ソクラテス
伊坂幸太郎
読み終わった
audible
再読
2025年
読後感が爽やかで文章も読みやすく、読む人を選ばない短編集。
Audibleにて再読。
伊坂幸太郎は何作か読んできたけど、有名なシリーズやメディア化された作品より『終末のフール』が一番好きだ。
そんな私の2番目に好きな伊坂作品が、この『逆ソクラテス』。
小中学生から読める作品なので、ミステリ的な要素や伏線回収などの印象が強い普段の伊坂作品が好きなファンには物足りないかもしれないが、私にはそこが刺さった。分かりやすく、読みやすい、人を選ばない作品。
各話、独立して楽しめる短編だか、共通したテーマのようなものもあり、子どもから見た大人、子どもの視点を通して見える世界や、彼らの世界のルールが瑞々しく描かれていて、こんな友人や先生と子ども時代を過ごせていたらなと思ってしまう。(現実的にはこんな上手くはいかないんだけど、フィクションの中くらいは、ね)
全体の構成としては、登場人物の子どもの頃を回想して語られる短編連作で、それぞれの物語が緩く繋がりあっていて、登場人物のその後が分かったりするのもいい。
表紙に惹かれて読んでよかった。
覚えておかなければいけない伏線や証拠とかがあるわけではないので、日をおいて聴いてもいい短編連作という点でも、Audible向きの作品だと思う。
